栂池自然園がオープンする5月中旬。
園内のほとんどが、まだ1m以上の雪に覆われていますが、白馬の雄大な景色を楽しむことができます。
またみずばしょう湿原では一番早起きのミズバショウがもう顔をのぞかせるようになります。
6月になると、雪を解かすほどの勢いで一斉にミズバショウが開花し、ピークにはみずばしょう湿原いっぱいにミズバショウが広がります。
またミズバショウの傍らには、寄り添うように黄色い可憐なリュウキンカが姿を見せます。
7月はもっとも花の多い時期。
道を歩けば、ショウジョウバカマ、イワカガミ、エンレイソウ、ツマトリソウ、ミヤマキンポウゲ、ニッコウキスゲなどなど、数えあげればきりがないほどの花々が迎えてくれます。
7月から8月にかけては、ワタスゲの果穂やチングルマの果穂など、植物の個性豊かな面を見ることができます。
8月の半ばを過ぎると、夏の最後を飾る花々や秋の花々が姿を見せます。
トリカブトや、オニシオガマ、イワショウブなどを見ることができます。
草紅葉が始まり、自然園はだんだんと秋に向かい姿を変えていきます。
花は少なくなり、色づいた種子が目立ちます。
高くなった空、ゆったりと流れていく雲、夏のにぎわっていた園内とは一転し静かで穏やかな時間が流れます。
10月に入ると栂池自然園の紅葉はピークを迎えます。
ダイナミックな山景と真っ赤に燃え上がるナナカマド、カエデ、緑から黄色と変わるダケカンバの紅葉は見ものです。
紅葉前線が過ぎた栂池自然園は笹の緑のキャンバスに描かれるダケカンバの白い樹形の景観が見ものです。
紅葉がロープウェイ眼下から山麓に移る頃になると栂池自然園も終演の時を迎えます。
みずばしょう湿原とわたすげ湿原の間にある風穴は、岩の間から冷たい風が吹き出す夏にオススメの場所です。
時には岩の間に8月でも雪が残っていることもあります。
ちょうどわたすげ湿原を越えた先、自然園の真ん中辺りに流れる楠川の川辺は天気の良い休日にはお弁当を広げるグループでにぎわいます。
北アルプスからの冷たい川の水を体験できます。
開園してからしばらくすると、時期限定の仮設トイレが設置されます。
浮島湿原と展望湿原の間にある銀命水では、冷たい川の水を汲むことができます。
銀命水の少し先には、貴重なモウセンゴケの自生するモウセン池があります。
モウセン池のある場所からは自然園全体を一望できます。
浮島湿原と展望湿原の間、モウセン池や銀命水がある道とは反対まわりの道がヤセ尾根です。
急な坂でぬかるみの多いヤセ尾根は少し大変ですが、ギンリョウソウなど珍しい植物を見ることができます。
他にもサラサドウダンの鮮やかな紅葉や、木々の間からは、遠目に栂池と雁股池の二つの池を見ることができます。
また時期が遅くてもミズバショウが咲いていることもあります。